終日アランフェス。
朝、宿を出て「寒いなあ」と言っていたら交差点にあった温度表示を見てびっくり零下2度だった。これまでポルトガル、スペイン南部と春のような気候だったので、ヨーロッパの北に少し移動した事を実感。それでも昼間には18度くらいまで温度は上がるし、なにより写真を見てもらえばわかると思うが日差しが強いので冬の印象はないのですけど。

終日、王宮(内部は写真不可なのでイメージはない)、島の庭園、王子の庭園、船乗りの家、農夫の家などを歩く。
ここは町自体が王(フェリペ二世、16世紀〜カルロス三世、18世紀)の離宮だったところ。とても広大。

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町と離宮をつつむタホ川。

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「農夫の家」という名前の王の離宮。

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バスでグラナダからマドリッドのそばアランフェスへ移動。6時間程。
アランフェスといえばロドリーゴのあの名曲という人が多いと思う。
僕の場合、高校3年の時に当時の小倉のジャズ喫茶で聴いたジム・ホールです。


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連日の疲れが出て足(ひざ)がかなり痛くなり、今日は博物館に行った後は僕はホテルに戻って休むつもりでいた。(もう、無理の出来ない歳なんです)
午前中はサン・ファン・デ・ディオス博物館。
こじんまりしているがなかなかおもしろい。
特に石器時代の遺物はかなり。
多分専門家がいるのだろう。
博物館近くのサン・ニコラス教会の前庭から、アルハンブラ宮殿のある丘とグラナダの町の眺望を楽しんだ後、昼食をとってホテルに帰ろうかどうか迷ったのだったが、結局バスで科学博物館へ行く事にした。
ここで思わぬ不意打ちを食らう事になる。
この科学博物館が無茶苦茶すばらしかったのだ!
新しくできたらしい巨大な体験型博物館である。展示内容、展示方法、空間ともに素晴らしい。
実際、小学校高学年から高校生まで多くの子供たちでワイワイ賑わっていたがグラナダの公共施設で入館人数ナンバーワンという話もうなずける。
正直、スペインの首都でもないし、大体スペインの博物館などそんなに大したものではないだろうと僕は舐めてかかっていたのだった。
同じ体験型を目的にしていてもミュンヘンともウイーンとも異なる展示を展開していてそのオリジナリティに大変好感が持てた。
体験の為の仕掛けはこれまでのどこよりも突出して良く出来ていた。
体験して理解してもらうための装置のデザインはなによりデザイナー自身が対象物をよりよく理解し、使用者のことを深く考えないと良いものはできない。お金も時間も愛情も必要なのだ。きれいなディスプレイをして「ハイ終わり」というわけにはいかない。

また、ミュンヘンと(あそこも素晴らしかった)比較してコミュニケーションデザインにおける正解は一つではないという事を改めて実感させられた。
うーん、勉強になりました。
同時にヨーロッパの中では後進国ではないのかという僕の偏見は吹き飛んだ。スペイン、昨年のユーロサッカーと同様、大変元気、伸びざかりという印象です。

...ということで休む事も忘れてくたくたになるまで、結局博物館三昧の一日。
俺の足は大丈夫だろうか?

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以下サン・ファン・デ・ディオス博物館

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サン・ニコラス教会前庭。

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以下グラナダ科学博物館

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終日アルハンブラ宮殿。

ここについてはいろいろ感想ありますが、書き出すときりがないので省略。

離宮へネラリフェ、パルタル庭園、王宮、アルカサバ、カルロス5世宮殿というルートで歩いた。


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冒頭で感想省略と書いたが、庭に関しての覚え書きを少々加えておく。

ここはかつてローマ人の作った神殿の上に、ムーア人が宮殿を造り、そこにレコンキスタ以降のスペイン人が手を加えている。だから今私たちが見ている庭が少なくともアルハンブラ造営時代のものかどうかが、はなはだあやしい。(ような気がする)

この500年の間にかなりフランス庭園化しているのではないか。

イスラムにとって庭は天国の楽園の象徴だったのでこのことはとても重要である。

私の印象はこの変形がどのようなものであったかを知る必要があるということだ。

現在の折衷された感じの庭は意外にも全然凄いとは思えなかった。

正直な所。

また、してはいけないとおもいつつ、桂離宮や修学院等など、とんでもなく洗練された庭文化を持ってしまった私たちからすれば...?という思いがどうしても去来してしまうのだった。

例のごとく月曜日は美術館等はお休みなので町の散策へ。

夜は町の北東でアラブの統治下にできたグラナダ最古の街並が残るアルバイシン地区を歩く。


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以下、町の中心にあるカテドラル。1518年モスクの跡に作られ、工事は1704年まで続いたが未完。折衷様式でプラテレスコ様式というそうだが柱と天井のバランスが大変美しい。またパイプオルガンの巨大さに驚いた。実際演奏されていた。


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パイプオルガン


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アルハンブラ宮殿の裏側?


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向こうに見えるのはシェラ・ネヴァダの山脈。


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科学博物館


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ガルシア・ロルカ公園


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闘牛場


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以下、王室礼拝堂


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アルヘシラスから列車で約5時間、グラナダへ移動。
ここもアンダルシア地方の中心的都市である。
ローマ時代から栄え、モーロ人(イスラム教)のイベリア半島支配時代はコルドバ同様繁栄した古い町である。
またイスラム最後の王朝が築いたアルハンブラ宮殿がある。

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旅をしているのだから、当たり前と言えば当たり前のことなのだが、沢山いろんなものを見、感じているわけだ。それらの中には自分の頭や気分のなかでふわふわと転がしていたいものがあるにもかかわらず、旅の時間は否応なく進行するのでなんとも気持ちの整理が難しい。
ブログの更新が遅れるのは物理的な時間のなさもあるがむしろ、気持ちの問題も大きい。
今日のような電車での移動はそういった意味でパソコンで写真を整理したり、日記をつけたりするのに格好の時間となる。
うまく気持ちが切り替わるかと言うとそんなもんじゃあないのだが、とにかく過去を振り返る時間に充当することができるのだ。
しかしバスでの移動の場合、ノートブックの画面を見ていると気持ちが悪くなって来るのでこれができない。
ポルトガルをへてスペインに入って結構日が過ぎたのでその印象も書いてみたい気もするがなかなか手が進まず。

そういえば一昨日の夜の映画はこれも未見の「ノーカントリー」というもので、途中から見たがなかなか面白かった。CMも放映中には入らない。その前の「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」といいスペインのTV局はセンスがあるなあと思う。


アルヘシラスからバスに乗って40分でジブラルタル海峡に飛び出した岬、ジブラルタルに行く。ここはイギリス領で軍事上の要衝である。一応国境がありパスポートコントロールもある。ここは免税価格で買い物ができる町なので週末にはスペイン人が買い物にやってきて賑わう町だ。だから国境と言っても物々しさは全くない。私たちの目的はこの岬を象徴する岩山ターリクの山に登り、ジブラルタル海峡を見る事であった。少し曇りがちな天候であったがかすかにアフリカ大陸を見る事ができた。

ここからの眺めは絶景である。

その後アルヘシラスに戻り、夕方の5時から町の闘牛場で闘牛を見る事ができた。前にも書いたがまだ季節ではないので無理だと思っていたが幸運だった。

感想は長くなりそうなので省略。


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向こうに見えるターリクの山。


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この岩山全体は自然公園になっていて野生の猿の生息地として有名である。


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向こうに微かに見えるのがアフリカ大陸。


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右手がアルヘシラスの港。


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山を下りて岬の先端、灯台から山振り返る。


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決闘というのか試合というのか戦いというのか、5試合見たのだが、スタジアムが急に冷え込んで来て我慢の限界だったので我々は闘牛場を後にした。

まだ続きそうな感じであった。

またこの日は週末なので町中ではサッカーの試合で盛り上がっていた。




朝から曇りで雨模様。

朝10時の高速艇に乗ってアルヘシラスの港からアフリカ大陸の対岸セウタへ渡る。約1時間(ジブラルタル海峡の幅は15キロ)。

セウタはまだわずかな土地がスペイン領でそこを通り過ぎるとモロッコへの国境がある。

まずセウタ近くのテトゥアンの町を尋ねる。迷路のような複雑なスーク(市場)やユダヤ人街などを歩き回る。昼食。

その後車でタンジェ(タンジール)へ。

ここで絵を描いたマティスのこと、作家のポール・ボウルズ、ウイリアム・バロウズのことを考えながら。

その後、再びセウタまで戻りアルヘシラスへ戻る。


タンジェやテトゥアンは悪質な客引きで有名であるが、エジプトに比べれば全然かわいいものだ。モロッコの人気(じんき)は総じて良いように思う。

約12時間の日帰り旅行であった。


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連日の疲れがかなりたまってきた。

このブログの更新も滞っている。

それでも今日は移動日なので昼までホテルで写真の整理などを行ってタクシーでバスセンターへ。

13時のバスでアルヘシラスへ向かう。約3時間半。

アルヘシラスはスペインの最南端に近く、アフリカ大陸への起点となる大きな港町である。

初めはこの後コルドバ行きを予定していたが、考えた末、気が変わったのだ。理由は省略。結果が吉と出るか凶と出るかはわからないけど。


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セヴィーリャのバスセンター


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途中、相当大規模な風力発電地域があった。


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夜、宿のテレビをつけたら映画が放送されていて、あまりにも映像が美しく夫婦で見とれてしまった。スペイン語に吹き替えられているがアメリカ映画であることは分った。見た事のない映画である。しかしその映画がただものではないことは60秒くらい見てれば分るものだ。その後1時間程見たが気になってネットで調べてみた。

「石油掘りの男の映画」で検索すると一発で出た。「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」(これは何と訳すのだろうか?)というタイトルであった。昨年の春以降の日本公開らしいので知らなかったことに納得。日本に帰ったらちゃんと見てみたいと思う。

例によって話はどうだか分らないが撮影がすこぶる美しい。言葉が少ないのも好ましい。

多分若い監督だと思うが巨匠の風格であった。

セヴィーリャの旧市街の外側を流れるグアダルキビル川沿いを歩いて、南にある考古学博物館、民俗博物館に向かう。3~4キロ程だろうか。

途中、3つの橋を見、海洋博物館になっている黄金の塔に寄る。


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左手にマエストランサ闘牛場を見る。今は闘牛の季節ではないらしい。


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黄金の塔


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内部


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塔の上から町を見る。右手が旧市街。


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広大なマリア・ルイサ庭園内にある考古学博物館、正面。


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ここにあるローマ時代のものは多くが先日行ったイタリカからの出土である。


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その後昼食を挟み向かい側にある民俗博物館へ。


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その後トラムやバスなどの適当な交通機関もないので再び歩いて宿まで戻ることに。

途中バスセンターで翌日の移動の確認、スペイン広場、カテドラルのある旧市街で夕食をとり、ホテルに戻る。

昨日の遺跡歩きも相当なものだったが今日も少し歩き過ぎて足が痛くなる。

全部で12〜3キロくらいだろうか、あるいはもっとか。朝ホテルを出て食事時と時たまの休憩以外はずっと立ちっぱなし、歩きっぱなしである。

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以下スペイン広場


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