朝方、大学が冬休みになって僕の九州の実家に帰省した長男のセッティングで、小倉の両親の自宅とスカイプがつながった。4月の出発以来はじめて両親、帰省している姉ファミリーとも肉声で話ができた。この旅のあいだ、このブログが手紙代わりということでメールもたまーにしか送ってないので久々の交信である。
いくらしゃべっても電話代がかからないなんて、どうもピンとこないですね。
ともあれ久々に声がきけ、元気そうなので良かった。
親はこちらがいくつになっても親で、ハラハラしながら旅を見守ってくれていることを痛感。
記憶に残っている親父のひと言は「夫婦仲良くしろよ」でした。
夕方ザグレブからトレンツさん一家が車で無事来訪。途中、高速道路は凍結していたそうで心配する。
ミランさんはクロアチアでコミック作家、アニメーターとして活躍後ニューヨークに移動、彼の地でもイラストレーター、絵本作家として活躍。現在はザグレブに戻り、活動のかたわらザグレブ芸大、アニメーション・ニューメディアコースで映像ディレクションの教授をしている。映画「ナイトミュージアム」の原作絵本の作家としても有名である。今回大学から無理をして資料を送ってもらったのも、このミランさんを通してザグレブ芸大とクロアチアのアニメーション協会などとアニメーションや映像教育に関する交流を行う為であった。(旧ユーゴスラビア時代からここはアニメーションが盛んなところなのです)
奥さんのアキコさんは前回ここにも書いたが11月4日ザグレブのHDLUクロアチア芸術協会美術館のフランチェスキさん、コレクターのスダッチさんを訪ねたおり通訳をして下さった方である。
http://www.esporre.net/terayama/2008/11/
始めはアキコさんの旦那さんがトレンツさんであるとは全く知らなかったわけで、全く不思議なご縁を感じます。リエカもそうだがザグレブも僕にとって不思議な出会いに満ちた都市である。
アキコさんには正月のザグレブ芸大での僕のレクチャーでもまた厚かましくも通訳をお願いしている。
前回から話に出ていたザダールのシーオルガンを見に行く計画が今回実現したのだ。
とっくに届いているはずの荷物が届いてない事に昨日から憂慮している。1月のこちらでの講義の為に送ってもらった資料である。
昨日、今日と東京のN先生にメールし確認してもらう。先生が確認した結果、送付を頼んだ大学のある部署が、なるべく早く確実にと依頼したにもかかわらず、普通航空便で送った事が判明。これでは現在荷物がどこにあるのか確認もできないのだ。中には大事な書籍やDVDに納められた映像作品もあるのに信じられないことでショックを受ける。
年末にザグレブ芸大のアニメーションを教えている先生に会う予定で、そのためにもかなり以前から依頼していたものだったのだ。
その後、今日になって経過を知りあきれたN先生とゴンちゃんがなんと再度荷物を梱包し送付し直す作業をして下さったと連絡が入る。
彼らが僕にとって今年のサンタさんになってしまった。全く申し訳なく、言葉もないとはこのことだ。
夕方ザグレブからやってくる森田さんをリエカ駅に迎えに行く。
以前ここにも記しているが森田さんとはリンツで出会い、ベルリン芸大サウンドデザイン科を訪ねた際お世話になっている。彼は今回ザグレブで行われた「TOUCH ME HERE」というユニークな展覧会に招待され23日まで展示していたのだ。その展覧会を今日撤収し我が家に寄ってくれるのだ。
森田さんの作品がポスターになっていた。随分人が来て熱気のある展覧会になったそうだ。
午前中トラムに乗って、モダンアートミュージアムへ。ここの建築はホラインである。常設展が目的だったのだが、何と全館を使用して村上隆氏の大展覧会をやっていた。実は僕は彼の作品をこれまでほとんど見た事がない。こういう機会でもなければ見る事はないだろうから結果的には良かったと思う。(全く自慢にはならないが僕は普段日本では出不精の上、ここ10年近くの日本の現代美術の動向に全く疎いのである。)
その後、応用工芸美術館、建築博物館を見る。
フランクフルトには他にも自然史博物館、前史先史博物館、シルン美術館、世界文化博物館と面白そうなミュージアムがあったのだが、まあ二日ならばこんなところであきらめるしかない。
......グーテンベルク博物館にもう一度行くべきだったかもしれない。
以下モダンアートミュージアム。最初見た時MURAKAMIという名の商社ビルだと思いました。
左手はシルン美術館。マグリットをやっていた。
以下応用工芸美術館。家具などのモダンデザインとアジアを含めた世界の工芸の紹介。
以下建築博物館。ここは期待が大きかっただけにちょっと...。建物は3つの階層に分かれ2007年度の高層建築世界一のコンペ、エコロジーと建築をテーマにした100の提案、最新のヨーロッパ各都市の都市計画といったものであるがどれも中途半端というか、雑誌の特集を読まされているような気がした。
常設展らしいところで世界の都市の歴史の模型を展示しており、これはおもしろいかと思ったが途中で尻切れとんぼになってしまった。今回の旅で私たちの行った場所の模型があったのは個人的には興味深かったが。
疲れ果てて足を引きずりながらの帰路となった。
橋の向こうがシュテーデル美術館、ミュージアム通り。
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