少し雨模様のなかモトブンへ向かう。
イストラ半島の中央部にある丘の上の町モトブンは以前にも書いたが交通の便がすこぶる悪くなかなか行けない所である。
今回私の友人が来たということでソボルさん夫妻と友人のダミールさんが車で連れて行ってくれた。
周囲が城壁に囲まれたモトブンの町は13世紀にできたという。町の入り口にある回廊には歴代支配者の碑文が飾られていた。
周囲はなだらかな丘陵地帯でよくイタリアのトスカーナ地方に似ているといわれる。ここはオリーブやワインの産地としても有名だが何よりもトリュフらしい。周囲はトリュフの森である。僕はグルメじゃないので「何それ?」みたいな感じではあるが。
またここは地形的に霧が発生しやすいところらしく、霧が発生すると丘の上にある町がまるで雲の上の町に見えるらしい。(今回は雨模様なのであいにく霧は出ていなかったけど)
それでソボルさんに言わせればクロアチアの人にとってここはおとぎの国のイメージが昔からあるようだ。
そのせいかどうか知らないが宮崎さんの映画、ラピュタもここがモデルだという説もあるところである。

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モトブン周辺

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城壁

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天空の町モトブンにて

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町の中心。
この町はマイナーだが夏にモトブン映画祭が行われる所としても有名である。上映は全て屋外スクリーンで若者が多数集まるという。宿泊は皆町や周囲の丘陵でテントを張るらしい。

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下から見たモトブンの丘。

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その後ソボル夫妻お勧めのレストランに行く。素材は全てオーガニックで、トリュフのかかったパスタはグルメじゃない僕にも細胞がぴりぴり反応するくらいおいしかった。
食にうるさいイタリア人が沢山やって来るというのもうなづける。
かつてここを占領したイタリア人はここの森を手にいれたかったのではないかと思いました。

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帰りにリエカの町のそばにあるサッカー場に寄る。ここはプロチーム・リエカの本拠地である。海のそばの岩盤を戦後ダイナマイトと人力で削って作ったという。

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今回、ソボルさん運転の車に我々男性陣は乗って行ったのだが、以前書いたように彼は日本の暴走族のように無茶苦茶、飛ばす。
早速、藤田さんに呆れられて「クレージー・ボーイ」と言われるようになってしまった。本人は多分知らないけど。







朝は昨日の大雨が嘘の様に晴れるが、昼近くになるとまた雲が出て暗くなった。
雨を心配しながらも近所のトルサット城や聖母教会を見てペタル・クジッチの階段で町まで降りる。
市場を少し覗いたあとバスでオパティアへ。

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トルサット城

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城からの眺め。ここに来るのは近いにもかかわらず4月以降二度目である。
ここから見るリエカの町とアドリア海はやっぱり素晴らしい。

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城の北側

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オパティアの波の音を録音する薬師寺さん。
彼は版画家であるが藤田さんの編集した昭和文学の群像シリーズ、中上健次、村上龍のブックデザインの折りに挿画をお願いしたのが付き合いの始まりであった。かれこれ十数年になる。僕はこの旅行で行けなかったが9月に銀座の養清堂で個展をしたばかりである。

オパティアを訪れるのも春以来二度目である。
秋の波の強いこの季節もなかなか風情があって良い。
春にケーキを食べておいしかったホテル・ブリストルのレストランで遅めの昼食。

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向こうに見えるのがリエカの町。
日が暮れてリエカに戻る。
夜はまた嵐のような大雨となる。


朝からリエカは雷雨。一日中heavy rainである。
年間降雨量の平均をみるとこの季節のクロアチアは東京の倍である。
春から夏にかけて雨が少ない分、この季節に集中して降るようだ。
夜遅く、東京からの友人が到着する。
藤田さんご夫妻と薬師寺さんご夫妻である。
成田→チューリヒ→ザグレブ→リエカの長旅を経て我が家に陣中見舞いに来てくれたのだ。
到着は10時を過ぎていたが皆さん元気で一安心である。雨はほとんど止んでいた。
さっそく話に花が咲いて夜遅くまで飲む。

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藤田さんが三十数年前に三島と作った本(装釘もご自身)の文庫版を持って来て下さった。(巻末の解説も書かれている。藤田さんは日本文学の知る人ぞ知る大編集者である)
しかしこの本はマイーダさんが三島を好きだと聞いて彼女にあげることに。
久しぶりに家を出て歩いて30分程、妻と日常品の買い出しに近所のスーパーへ行く。
明日、友人が東京から訪ねてくるのでその準備も兼ねて。

外に出るのは5日ぶりか。
天気は相変わらずあまり良くなく雨の合間を見計らって出かけた。
昼間は20度前後なので暖かい。マイーダさんは異常気象と言っていた。

その後はいつもと変わらず自宅で調べ物や次の旅の準備などをして過ごす。
旅の準備もザグレブ用、パリ用、エジプト用と頭を切り替えつつ行わなければならない。
だからやっぱり時間が足りないのだ。

調べ物もここにある資料だけでは全く足りず、日本にあったあの本、この本持ってくれば良かった...と後悔に苛まれ部屋を無意味に歩き回っている。
本を今更取り寄せるべきかどうかで少し悩む。

まあ、基本的にはできる範囲で何とかするしかないですが。

HDLU(ザグレブのクロアチア芸術協会)を訪ねたさい、フランチェスキさんにいただいた今年のヴェネツイア建築ビエンナーレ、クロアチアの出品作SEA ORGAN & GREETING TO THE SUNのヴィデオ(DVD)を見た。
建築家NIKOLA BASICの環境建築作品。
ザダールの海岸で打ち寄せる波が音に変換され、太陽のエネルギーが光に変換される海浜公園の装置である。とても素晴らしいものであった。
似たようなインスタレーション作品というのはこれまでもいろいろあったし、見て来たが完成度が高くかつ詩的である。
現場に行ってみたくなった。

明日から少し慌ただしくなるのでこの日記の更新は一週間程遅れるかもしれない。


終日、家にこもって調べ物とブログの更新。
ブログの更新は長期間怠ると、何かあったのではと心配をかけることがわかったので、やっと正常に追いついてきて一安心。
こちらに戻ってからは一歩も家を出ておらず、写真もないのでラクチンだ。
そのぶんくだらない独り言を書いているので恐縮ですが。

2日後に東京の友人がわざわざここリエカに訪ねてきてくれるのでその連絡と、次のザグレブとパリ行きに関する連絡などもする。
ザグレブではフランチェスキさんの紹介でユーゴスラヴィアアヴァンギャルドの研究家とザグレブ芸大の先生と会う事になっているので楽しみだ。ちょっと緊張しますが。
パリでは浪人時代(もう30年以上経ちます!)の友人とパリフォトを見て回るつもりである。

今回の旅では旧友はもとより、知り合った人が次から次へと新たな人を紹介してくれて、新たな出会いが生まれる。
自分は本当に恵まれているなあと実感、感謝する。
一期一会、出会いを大切にしたいと思います。

朝おきて昨晩の夜中でサマータイムが終わった事を知る。
日本とは8時間の時差に戻る。早速部屋の時計を修正する。
8時半に起きたらまだ7時半だったという単純なことではあるけれど。
日本では経験できない事なので少し楽しい。
ここ数日リエカは日照時間もどんどん短くなる上に天候不順で一日中暗い。
眼に弱点がある僕はこれくらいの暗さの方が楽なのであるけど。

そういえば森田さんからのメールに皆(特に旅行者)が嫌うベルリン(ヨーロッパ)の冬の夜の長さについて

「ベルリンの冬の暗闇が僕は好きです」
とあった。

...ちょっと感動しました。


終日、資料の整理。調べものなど。 
以下の記録でとりあえず、前半の旅のメモは完了。

こうやって振り返ると改めておびただしいものを見て来たのだと実感する。
可能であれば(必ずしもこのブログの形態でなくとも良いのだが)見て来たすべての画像データに場所や作者や年代その他の分かりうるテキストデータを加えて相互リンクできればよいと思うのだが。
実現は現状では不可能だろうな。アシスタントはいないし。コンピュータソフトじゃなくて自分の頭(ソフト)でやるしかない。
例えば「時の視覚化」というキーワードに対してこれまで見て来た全ての情報、ストーンヘンジやアンカラ、ニュルンベルクでみた無数のサンダイアルや古代時計、ギリシアで見たユダヤのカレンダーや3700年前の青銅のカレンダー機械、これから見るであろうエジプトのピラミッド等などが時代別、構造別に比較検討できるような。
同様に例えば「アルファベットの変遷」とか、
例えば「グリッドの変遷」、「光の記述」「空間の視覚化」「行為の記述」「デザインのモダニズムの意味」「展示する(見せる)ことの歴史」とか...。
全てのヴィジュアルコミュニケーションの根源となるようなものたちの歴史をつなぎ比較検討する作業...。

それは(これまでも行なって来たが)これからも自分の頭の中で行なわなければならない作業だ。

以前(多分このブログを見ていない)ある人から「お前の旅はしょせん外遊だ」という意味のメールをもらって少しへこんだ。
「俺の今やってることは遊び?」かぁ...。
僕はこれまでデザインの仕事もそうだったが、それが「お仕事」だとはあまり感じたことがない。「仕事」というにはそのデザイン行為がもたらしてくれる結果、幸福感はもっと大きいと感じて来た。僕にとって研究や仕事や遊びの境界はほとんどないのだ。
義務とか責任というのは社会に生きている以上厳然とあるのだけれど。
それに人からどう思われてももちろんかまわないのだが、僕の旅を遊びだと揶揄したその人はどこか外国の大学に席をおき研究する事がアカデミックな研究に値するものと思っているようであった。しかし僕に言わせればそんなことならわざわざ1年間外国暮らししなくても(明治維新じゃあるまいし)、日本でもできるし(そのほうが効率的だし、必要があれば短期で旅行すれば事足りる)僕は20年間、大学でそうしてきたのだ。
今回考えに考えて各方面に迷惑をかけながらもこの旅に出たのだが、どっかの大学に腰を落ち着けるなんていう選択肢はどこを探してもなかった。
本を読んだり、人に聞けばわかることではないことを感じて学ぶ為にこの旅に出た。
それだけが今の自分に必要なことだと思われた。
それは実際やってみて、確かに楽しいが大変だ。

それが「遊び」と言われるならば、むしろ本望かもしれない。


旅の記録
●オーストリア
【museum/library 美術館/博物館等】
ウイーン・ミュージアム・カールスプラッツ/美術史美術館/応用美術博物館/ルードウィヒ財団近代美術館/レオポルド美術館/自然史博物館/シェーンブルン宮殿(以上ウイーン)/レントス美術館(リンツ) 以上8カ所

【camii/temple/church 教会/寺院/城/近代建造物等】
パビリオン・カールスプラッツ/カールス教会/国会議事堂/市庁舎/オペラ座/シュッテファン大聖堂/郵便貯金局/クーアサロン/カイザーバート水門監視所/フンダート・ヴァッサー・ハウス/クンストハウス・ウイーン/ハース・ハウス/シューリン宝石店/ペーター教会/ロースハウス/ゴミ焼却場/(以上ウイーン) 以上16カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
フォルクス庭園 以上1カ所

【academic ivent/university 大学/学会/イヴェント】
アルス・エレクトロニカ(OKセンター、アルス・エレクトロニカ・センター、ブルックナー・ハウス、リンツ芸術大学など)

●ドイツ
【museum/library 美術館/博物館等】
アルテ・マイスター絵画館/武器博物館/陶磁器コレクション/ドレスデン城緑の丸天井/(以上ドレスデン)/ライプツィヒ印刷博物館/造形博物館/バッハ博物館/(以上ライプツィヒ)/デューラー・ハウス/おもちゃ博物館/ドイツ鉄道(DB)博物館/ゲルマン国立博物館/フェンボー・ハウス(ニュルンベルク市立博物館)/(以上ニュルンベルク)/ドイツ博物館/ノイエ・ピナコテーク/アルテ・ピナコテーク/(以上ミュンヘン)/デッサウ・バウハウス/マイスターハウス/(以上デッサウ)/ワイマール・バウハウス博物館/ゲーテ国立博物館/ワイマール候の城美術館/バウハウス大学ライブラリー/(以上ワイマール)/バウハウス・アッシブ/ユダヤ博物館/ケーテ・コルヴィッツ美術館/文化フォーラム絵画館/旧ナショナル・ギャラリー/新ナショナル・ギャラリー/ペルガモン博物館/旧博物館/ハンブルグ駅現代美術館/(以上ベルリン)/ 以上30カ所

【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
ツヴィンガー宮殿/ゼンパー・オペラ/カトリック旧宮廷教会(以上ドレスデン)/トーマス教会/ニコライ教会/旧市庁舎(以上ライプツィヒ)/フラウエン教会/聖ローレンツ教会/カイザーブルク/(以上ニュルンベルク)/新市庁舎(ミュンヘン)/国民劇場/市教会/ヴァン・デ・ヴェルデ邸/バウハウス大学(旧バウハウス校舎)/シラーの家/(以上ワイマール)/ベルリン大聖堂/戦勝記念塔/カイザー・ヴィルヘルム教会/ソニー・センター/クライスラー・センター/ブランデンブルク門/ドイツ連邦議会議事堂(以上ベルリン)/ケルン大聖堂/ 以上23カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
メードラー・パッサージュ(ライプツィヒ)/職人広場(ニュルンブルク)/ポツダム広場(ベルリン)/ 以上3カ所

【academic ivent/university 大学/学会/イヴェント】
ベルリン芸術大学サウンドスタディーズ/

●ベルギー
【museum/library 美術館/博物館等】
王立美術館/漫画博物館/オルタ美術館/ルネ・マグリット美術館/ギャラリー34 36 SB/(以上ブリュッセル)/ゲント美術館/ 以上6カ所

【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
市庁舎/カフェ・ファルスタッフ/ストックレー邸/ホテル・ソルベ/ホテル・タッセル/メゾン・ペルソネル/シャンベルラーニ邸/オトレ邸/ファン・ネック博士の診療所/プリズン・サン・ジル/(以上ブリュッセル)/聖バーフ大聖堂/鐘楼と繊維ホール/ゲント大学図書館/フランドル伯居城/(以上ゲント) 以上14カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
グラン・プラス(ブリュッセル)/第肉市場/コーレンレイ(ギルドハウス)/グラスレイ/(以上ゲント) 以上4カ所

●オランダ
【museum/library 美術館/博物館等】
オランダ建築博物館/ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館/クンスト・ハル/(以上ロッテルダム)/マウリッツハイス美術館/エッシャー美術館/ハーグ市立美術館/(以上デンハーグ)/歴史博物館/国立美術館/国立ゴッホ美術館/レンブラントの家博物館/科学技術センター/アムステルダム大学付属アラード・ピアソン博物館/聖書博物館/写真博物館/(以上アムステルダム)/ディック・ブルーナハウス/セントラル博物館/(以上ユトレヒト) 以上16カ所

【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
カフェ・デ・ユニ/ゾーネンフェルド邸/ブラーク・オールド・ハーバー開発計画/レストラン・ポンピュ/エラスムス・ブリッジ/(以上ロッテルダム)/デルフト新教会/アムステルダム中央駅/シュレーダー邸(ユトレヒト)/エラスムス通りの集合住宅/ドム塔/ドム教会/(以上ユトレヒト) 以上11カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
デルフト/ダム広場(アムステルダム)/アムステルダム運河/マヘレのはね橋/ 以上4カ所
終日、資料の整理、様々な連絡、ブログの更新など。

先週からか世界的な金融不安、同時不況のニュースが流れている。
友人からのメールで「円高は追い風になってよかったね」といったコメントをもらうのだが、そもそも、4月から8月までの宿泊費や交通費が最も高騰する時期に、手数料を入れれば1ユーロ=170円以上という不条理な旅をずっとしてきた実感から言えば、ここ最近急に円高になったからといって、残念ながら得した実感は全くない。
しょせん、自分がコントロールできることではないし、今度の旅は一生に一度のものと覚悟してきたので一喜一憂しないことにしてきたし、今後も変わらないだろう。
達観しているのではありません。「もう、勝手にしろ」という感じです。
ただ前にも書いたけど、日本の生産力というか国力からして不当なレートではあると感じてはいたので、むしろ、今が正常に戻ったという言い方もできるのではなかろうか。
それにしてもイタリアやギリシアの美術館で入場料2500円などというのは無茶苦茶だなあと思ったものだ。今のレートでも2000円くらいだから日本での実感からすればまだ高いとも言えるのではないでしょうか。

それよりも、ヨーロッパの不況は今後、深刻になりそうな気がするし、クロアチアも含めた周辺国(旧東欧諸国や経済が安定していない国)は大変な状況になるかもしれない。そのことによる治安の悪化などが心配である。
昨日マイーダさんとも話したのだが、クロアチアでは最近ジャーナリスト2名がテロで殺害されテレビでも連日そのことが報道されている。軍隊上がりのマフィアの犯行とのこと。ここではボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の記憶もまだ新しく人々の間には暴力に対する不安も大きいようである。先日テレビで山奥にこもってひたすら銃を撃っている不気味な男のドキュメンタリーを放送していた。詳しくはもちろん分からないのだが、彼も軍隊出身者であった。映画「タクシードライバー」のデ・ニーロのようであった。
ベルリンで会った森田さんも、今オーストリアでは極右に近い政党が政権をとろうとしているなど、右傾化を憂慮していた。
ドイツでは第二次大戦の経験から右傾化にはかなり敏感で、今の所正常だそうだ。むしろ周辺諸国が全体的にナショナリスティックになっているようだ。旅をしているだけでは鈍感なせいか僕には良くわからなかったが。
経済の悪化とともにこれまでのユーロ統合の矛盾が出て来ているのかもしれない。
やはり一日、連絡作業に時間をとられる。
合間をみてベルリンの写真の整理に着手。 
ブログに上げるには写真を取捨選択しリサイズしなければならない。
お昼からリエカの警察署に滞在許可証の申請に行く。マイーダさんが付き添ってくれた。
窓口にはいろいろな人(ビザをとる外国人など)がいて、並んで順番を待っていると様々な人間模様が見える。
申請後、マイーダさんとお茶。
来週にイストラ半島のモトブンに行こうという話になる。ここは交通の便悪く、自力ではなかなか行けそうにない所である。実現すれば良いのだが。
夜にやっと一日分のブログの更新ができる。

自分のやってきた旅の意味について考える事あり。
もう少し落ち着いたらちゃんと書きたいと思う。

とりあえず、昨日に引き続き旅のメモをここにも残しておきたい。
分類が意外と難しいことがわかる。
単なる記録じゃなくて自分なりのデータベースにするならば考えなきゃならんなあと思っている。
経験の内容をどのように分節するかなのだけれど。

旅の記録

●チェコ
【museum/library 美術館/博物館等】
国立博物館/国立美術館/フランツ・カフカ博物館/チェコ・キュビズム博物館/プラハ城ライディングスクール・ギャラリー(以上全てプラハ) 以上5カ所

【camii/temple/church 教会/寺院/城/近代建造物等】
プラハ城/大司教宮殿/シュバルツェンベルク宮殿/聖ヴィート大聖堂/クレメンティウム教会/旧市庁舎/市民会館/キュビズムアパートメント(ヴィシェフラド地区)/キュビズムの家(2件ヴァルタバ川沿い) 以上10カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
ペトシーン公園/カレル橋/カレル庭園/ 以上3カ所

●ギリシア
【museum/library 美術館/博物館等】
国立考古学博物館(アテネ)/アタロスの柱廊博物館(アテネ)/エーゲ海海洋博物館(ミコノス)/考古学博物館(ミコノス)/ディロス博物館/ワイン博物館(ティラ島)/メガロン・ギジ博物館(ティラ島)/フィラ考古学博物館(ティラ島)/新先史期博物館(ティラ島)/考古学博物館(イクラリオン)/クレタ歴史博物館/コリントス考古学博物館/ミケーネ考古学博物館/オリンピア博物館/アンティリオン大橋記念博物館/デルフィ博物館/ 以上16カ所

【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
国会議事堂(アテネ)/アギオス・エレフテリオス教会(アテネ)/セント・ニコラス教会(ミコノス)/パラ・ポルティアニ教会(ミコノス)/ルサヌー修道院(メテオラ)/アギオス・ステファノス修道院/(メテオラ)/アギオス・エレフテリオス教会/ 以上7カ所

【ruins遺跡等】
ディロス遺跡/古代ティラ遺跡/クノッソス遺跡(クレタ島)/マリア遺跡(クレタ島)/フェストス遺跡(クレタ島)/ゴルティス遺跡(クレタ島)/エピダウロス遺跡/エピダウロス古代劇場/旧コリントス遺跡/ミケーネ遺跡/オリンピア遺跡/デルフィ遺跡/アクロポリス遺跡/アドリアヌス門/ゼウス神殿/アドリアヌスの図書館/古代アゴラ/ヘファイトス神殿/ローマン・アゴラ/風の神の塔/ 以上20カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
シンタグマ広場/アノ・ミリの丘の風車(ミコノス)/ディロス島/エル・グレコ公園/マリア・ビーチ/コリントス運河/アンティリオン大橋/メテオラ奇岩群、修道院 以上8カ所

●イタリア
【museum/library 美術館/博物館等】
ボルゲーゼ宮/ローマ国立博物館(アルテンプス宮)/ローマ国立博物館(マッシモ宮)/ローマ国立博物館(ディオクレティアヌスの浴場跡)/パラティーノ博物館/バチカン宮殿(ピオ・クレメンティーノ美術館、絵画館、システィーナ礼拝堂、エジプト博物館、キアーラモンティ博物館、エトルリア美術館、地図のギャラリー、ラファエロの間他)/ボルゲーゼ美術館/ヴィラ・ジュリア・エトルスコ博物館/国立近代美術館/クインティーリ博物館/カピトリーニ美術館/クリプタ・バルビ(地下都市跡)(以上ローマ)/市立考古学博物館(ミラノ)/アンブロジアーナ美術館(ミラノ)/市立博物館(スフォルツァ城、ミラノ)/王宮(現代美術館、ミラノ)/ブレラ絵画館(ミラノ)/アカデミア美術館(ヴェネツイア)  以上18カ所

【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
パンテオン/サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会/ヴィットリオ・エマヌエーレ二世記念堂/サンタネェーゼ・イン・アゴーネ教会/サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会/サン・ルイージ・ディ・フランチェージ教会/サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会/サンタ・マリア・マッジョーレ教会/サン・ピエトロ広場、大聖堂/サンタ・マリア・デル・ポポロ教会/サレジオ教会/ジェズ教会/サンタゴスティアーノ教会/テリニタ・ディ・モンティ教会/(以上全てローマ)/ドゥオーモ(ミラノ)/サンタンブロージョ大聖堂/ヴィットリオ・エマヌエーレ二世のガレリア(ミラノ)/サンマルコ寺院(ヴェネツイア)/鐘楼(ヴェネツイア)/サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会 以上20カ所

【ruins遺跡等】
フォロ・トライアーノ/トラヤヌスの記念柱/トラヤヌスのマーケット/フォロ・ロマーノ/コロッセオ/カラカラ浴場跡/パラティーノの丘/アッピア旧街道/サンセバスティアーノ門/クインティーリ荘/チェチーリア・メテッラの墓/ハドリアヌス邸の別荘/ 以上12カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
バルベリーニ広場/ポポロ広場/ナヴォナ広場/スペイン広場/共和国広場/ボルゲーゼ公園/ティボリ/トッレ・アルジェンティナ広場/大運河(ヴェネツイア)/サンマルコ広場(ヴェネツイア)/ムラーノ島/ジューデッカ島/サン・ジョルジョ・マッジョーレ島/リド島/ 以上14カ所

【academic ivent/university 大学/学会/イヴェント】
ヴェネツイア映画祭
昨晩から引き続いて必要なメール連絡にほぼ一日かかる。
内容は勤務している大学との必要なやりとり。旅で新たに出会った人やお世話になった方への礼状やその後のやりとり。これからのスケジュール相談のための様々なやりとり。日本の友人とのやりとり等々である。
ものによっては難しい内容でひとつに3時間程もかかる。
英語は日本語の4倍くらい時間がかかる(...情けない)。
頭の片方ではいつものように行って来た旅の記憶の意味を反芻している自分がいるが、じっくり考える時間が今はない。よってブログも更新できず放置したままとなる。

これまで訪ねた場所に関するメモを残したのは6月6日のトルコ関係のもののみであった。
旅も半分が過ぎたのでここでメモ代わりに前半の部分(の前半)を記録しておくことにする。名前等不正確な部分があるかもしれないがこれ以上放置しておくとますます億劫になりそうなので。
イギリス、アイルランド、クロアチアなどである。抜け落ちもあるかもしれない。

旅の記録

●イギリス
【museum/library 美術館/博物館等】
大英博物館/大英図書館(リーディングルーム+ギャラリー)/ヴィクトリア&アルバートミュージアム/ナショナル・ギャラリー/自然史博物館/キュー・ガーデンズ(+ギャラリー)/ボドリアン図書館(オックスフォード)/アシュモレアン博物館(オックスフォード)/自動車博物館(バートンオンザウォーター) 以上9カ所

【ruins 遺跡等】
ストーン・ヘンジ/ローマ浴場跡(バース) 以上2カ所

【camii/temple/church 教会/寺院/城/近代建造物等】
ソールズベリ大聖堂(オックスフォード)/クライスト・チャーチ(オックスフォード)/バーフォード教会(バーフォード)/バース寺院(バース) 以上4カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
オックスフォード大学群/バートン・オン・ザ・ウオーター/バーフォードの町並 以上3カ所


●アイルランド
【museum/library 美術館/博物館等】
トリニティ・カレッジ・オールドライブラリー/国立考古学歴史博物館/国立博物館/チェスター・ビーティー・ライブラリー/ブルーナ・ボーニャ・ビジター・センター 以上5カ所

【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
聖パトリック大聖堂/クライスト・チャーチ大聖堂/ダブリン城/中央郵便局(以上ダブリン) 以上4カ所

【ruins遺跡等】
ダウス古墳/ニュー・グレンジ古墳/ボイン川の古戦場/タラの丘/ドン・エンガス遺跡/ガララス礼拝堂/ダンベックの砦 以上7カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
モハーの断崖/イニシュモア諸島/ディングル半島/セント・スティーブンス・グリーン/キラーニー国立公園 以上5カ所


●クロアチア
【museum/library 美術館/博物館等】
自然史博物館(リエカ)/市立博物館(リエカ)/海洋歴史博物館(リエカ)/リエカ大学図書館/イストラ歴史博物館(プーラ)/イストラ考古学博物館(プーラ)/地方博物館(ポレチュ))/ロマネスクハウス(ポレチュ)/民俗学博物館(スプリット) 市立博物館(スプリット)/スプリット美術館/考古学博物館(スプリット)/考古学博物館(ザグレブ)/クロアチア歴史博物館(ザグレブ)/HDLU(ザグレブのクロアチア芸術協会)  以上16カ所

【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
トルサット城/トルサット聖母教会/聖ヴィート大聖堂/聖セバスチャン教会/クルック大聖堂/聖ルチア教会(バシュカ)/聖ニコラ教会(プーラ)/大聖堂(プーラ)/聖エウフミヤ教会(ロヴィニィ)/エウフランシス聖堂(ポレチュ)/大聖堂(スプリット)/聖母被聖天大聖堂(ザグレブ)/聖マルコ教会 以上13カ所

【ruins遺跡等】
ローマン・アーチ(リエカ)/ヴィラ・アンジョリーナ(オパティア)/クルック城塞/バシュカ旧市街/アウグストゥス神殿(プーラ)/円形劇場(コロッセオ、プーラ)/双子門、セルギ門(プーラ)/バルビ門(ロヴィニィ)/ネプチューン神殿跡(ポレチュ)/ディオクレアヌス宮殿跡(スプリット) /宮殿地下遺跡(スプリット)/サローナ遺跡(スプリット) 以上12カ所

【city/nature 街並/自然景観等】
オパティア/プリトヴィッツェ国立公園 以上2カ所

●スロベニア
【camii/temple/church/ Castle/ Modern building 教会/寺院/城/近代建造物等】
三本橋トロモストウィエ(リュブリャナ)/リュブリャナ城 以上2カ所

朝宿を出て8時半頃の電車でハノーファー中央駅へ約2時間。
中央駅で乗り換えて空港へ約20分。
リエカ空港へ3時頃無事到着。
ベルリン─リエカ間の直行便がない為にこのような行程になる。
これから冬になるとリエカ発着の航空便がますます少なくなりそうなので気が思い。
今後クロアチアから他のヨーロッパ諸国に出国する場合、バスで3時間半かかるザグレブかバスと電車で4時間半はかかるイタリアのヴェネツイア利用となりそうだ。

ともあれ約1週間のザグレブ、ベルリンのショート・トリップから無事に帰宅する。
ベルリンでの滞在期間が充分だったかというと全くそうではないものの、まあしょうがない。
今回はベルリン芸大、博物館島、リベスキンドのユダヤミュージアムに行けたことで満足しなければならないだろう。
後半の4日間ネットが使えない環境にいた。こういう時に限って重要なメールがたまっている。
荷物もそこそこに返事を書かねばならない。

旅の間「法句経講義」友松圓諦著(講談社学術文庫)を読了。
これはこの夏来た息子が置いて行ったもの。
原始仏典の最古層に属する、釈尊が直接語った言葉の解説で昭和9年に刊行され昭和の仏教革新運動の起点となったと言われるものである。
仏教書とベルリン?と一見無関係に見えるのだが(実際はじめから関係ありと思ったわけではないけど)、ヨーロッパとアジアの死生観、自然観、自我認識の違いについて考えさせられること多く興味深かった。
またこういった言説の解釈と(今私たちが行っているような)遺跡や歴史の断片を見る作業は意外と似ていて、まさに解釈する側の想像力が問われているのだとしみじみ思った。

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